むしろ、返信がない相手ほど、淡々と信号を送り続けることをおすすめします。なぜなら、「正体不明の存在」を放置するほうが危険だからです。定期的に「私は敵ではありません」と伝え続けることは、最悪の衝突を防ぐための最も低コストなリスクヘッジと考えましょう。
人間関係の悩みの種は、沈黙という暗闇の中で育ちます。お互いに何も言わず、相手が何を考えているかを探り合っている状態は、悩みの種にどんどん栄養を与えてしまうことになります。
あいさつは、その暗闇を照らす小さな光です。「明るく元気に」やる必要はありません。相手に向かって、毎日同じ言葉を発するだけでいいのです。
「人間関係に悩まない」状態とは、すべての人と仲良くなることではありません。自分の周りに正体不明の存在をつくらないことです。そのためには、誰よりも先に自分からIFFのスイッチを入れましょう。それだけで、職場という戦場は、見違えるほど安全な平原になるはずです。
心地よい人付き合いは「間合い」で決まる
「人付き合いは格闘技である」
これは、自衛隊時代の過酷な訓練や実戦的な格闘の経験を通じてたどり着いた、私なりの結論です。まったく違うものだろうと思うかもしれませんが、格闘技と人間関係には、大きな共通点があります。
格闘技と人間関係に共通する重要なスキル――それは「間合い」です。
人間関係で行き詰まってしまったとき、私たちはたいてい、話し方や伝え方、相手あるいは自分の性格に原因を求めようとします。しかし、問題は実は「相手との距離感」にあることが多いのです。
自衛隊で私が学んだことの多くは、教室の座学ではなく、リアルに人と向き合うなかで身についたものでした。教官から理論として教わったというよりも、実際に訓練のなかで相手と対峙し、体を動かしながら少しずつ理解していったものです。
■近づきすぎると動きが窮屈になる
■逆に距離が遠すぎると、何も起こらない
そうした経験を何度も重ねるうちに、「このくらいがちょうどいい」という距離感を、頭ではなく体で覚えていきました。


※ログイン後、コメント入力が可能です。