高校生にも話を聞けた。
私立高校に通うルーさん(16)は今回の抗議活動について、「今回問題になっているような状況を経験しているわけではないけれど、公立高校に通っている友人もいますし、彼らが何を訴えているのかはよく理解できる」と言う。
一方で、高校生の平和的な抗議活動に暴力をふるう人々が加わることを、残念に思っている。
「それによって、高校生たちが本当に訴えたいことが伝わりにくくなってしまう」
もう1つルーさんが心配しているのは、一部の人の過激な行動によって、高校生全体が同じようなイメージで見られてしまうことだ。暴力を振るう少数の人々に注目が集まれば、学校の環境改善を求める高校生たちの正当な訴えまで、信頼を失いかねない。
警察の対応に厳しい目
ルーさんはまた、警察の対応についても厳しい目を向ける。
「警察が度を越えて力を行使することも、あってはならない。片目を失明したり、片手を失ったりするようなことが起きるなんて、あっていいはずがない」(注:フランス中部にある都市トゥールでは16歳の高校生が警察の弾で片目の視力を失い、北部にある都市ランスでは15歳の高校生が手投げ弾で片手を失った)
暴力を単純に一方の側だけの問題として片付けるのではなく、事態がエスカレートしていく過程そのものにも目を向けるべきではないか。ルーさんの訴えからは、そんな問いが浮かび上がる。
ルーさんは高校卒業後、海外の大学に進学するつもりだ。将来はフランス以外の国で働くことにも関心があるという。「フランスに嫌気がさしたから……というわけではありません。ほかの国も見てみたい。自分の知らない世界を経験してみたい」。
フランス社会に不満があるから離れたいのではなく、外の世界を知り、自分の可能性を広げたい。16歳のルーさんの言葉からは、今回の混乱だけでは測れない、若い世代の未来への関心も感じられた。


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