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「常に新しい凶器を探せ」…昭和を駆け抜けた"稀代の極悪女王"ダンプ松本が使いこなせなかった《意外な凶器》とは

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「極悪女王」として絶大な人気を誇ったダンプ松本の意外なエピソードを紹介します(写真:hafuphoto/PIXTA)
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しかし、そのダンプ御殿にも悪質なファンがやって来た。「ダンプ、いるんだろ!」と罵声を飛ばされ、投石された。

「実家なら優しいダンプ」を見られるはずと、近隣住民がサイン色紙を大量に持って来たこともある。ダンプが「こんなの書けるか!」と極悪口調で破って捨てると、後日、母の里子が一升瓶を手にして、一軒一軒謝罪してまわった。

大好きな母のために建てた一軒家が、皮肉にも心痛を招いた。ヒールとしての名声と富を手中に収めたダンプは、いかんともしがたいパラドックスを抱えていたのだ。

アダルトショップで購入したSMの鞭を「凶器」に

「常に新しい凶器を探せ」

ダンプ松本から口癖のようにお達しされた訓示を、極悪同盟は全員が忠実に守っていた。

たとえば、アルミ製の一斗缶。使いきりの一斗缶は常にストックが必要のため、極悪同盟の下っ端レスラーだった影かほるは、街中で廃棄されている一斗缶を見つけたときはかならず手に取って、凶器に活用できそうなら持ち帰った。

まず、中身を洗浄。四面の切り口を叩いて平らにして、かなり厚めのビニールテープを貼った。相手の頭部をめがけて振り下ろしたあとに、自分の手も裂傷しないよう、切り口には細心の注意を払った。

長期巡業のときは、一斗缶を探し求めて夜の街を徘徊した。地方でも田舎へ行くと、夜に営業している店がない。そういうときに備えて、事前に事務所の近くで飲食店が軒を連ねる権之助坂を往来して、そば屋やラーメン屋の周辺に積まれている一斗缶を収集しておいた。ひと晩で3個もあれば御の字だった。

大型バスで移動中、窓から工事現場とドラム缶が見えたことがあった。かほるは、「ちょっと停めて」とドライバーに告げて、降車した。片手でピックアップできて、サイズも重量も申し分ないドラム缶の入手をダンプに報告すると、「いいじゃん!」と褒められた。

その逸品を黒く塗装し、「極悪」と金色のスプレーで描いた。1986(昭和61)年1月9日、愛知県体育館でおこなわれたWWWA世界タッグ選手権戦で、チャンピオンチームの山崎五紀&立野記代に振り下ろすと、超満員の館内が大きく沸き、実況解説席にもその興奮が乗り移った。

ダンプはアダルトショップに行って、SM用の鞭を購入したこともある。何度か試合で鞭使いにトライしたが、美しく、しなやかに、音を鳴らして攻撃するのは、相当なテクニックを要した。

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