この「苔がデータを預かっている」という謎を解くプロセスこそが、現代人が失いつつある「時間感覚」を取り戻す鍵であると同時に、AI時代に仕事を奪われないための「最強の教養」となるのです。
「相反する2つの命題」をどう統合するか
まずは、私たちが作成した「京都大学 自由英作文Ⅳ」の厳選予想問題を紹介しましょう。
Traditional expressions such as “until moss grows” can still expand modern people’s imagination.
(「苔のむすまで」のような伝統的な表現は、いまなお現代人の想像力を拡張することができる。)
Traditional expressions such as “until moss grows” can no longer expand modern people’s imagination.
(「苔のむすまで」のような伝統的な表現は、もはや現代人の想像力を拡張することはできない。)
・英文には、(1)主張の提示、(2)理由や例による論証を必ず含めること。
・語数は80~100語とする。
・コンマなどの記号はその直前の語と同じ下線に含め、1語と数えない。短縮形は1語と数える。
・「苔」や「苔のむすまで」に対する個人的・比喩的・創造的解釈を自由に用いてよい。
「伝統は想像力を広げる」というAと、「広げない」というB。2つの命題は、完全に矛盾しています。
一見すると、命題Bに共感する受験生もいるでしょう。
しかし、この予想問題では、AかBのどちらかを選ばせるのではなく、矛盾する2つの命題を同時に成立させる道筋を考えさせます。いわば、「矛盾したまま両立させよ」という問いです。
これは、まさにビジネスの現場でも起こります。
「コストを下げろ、でも品質は上げろ」。相反する要求をどちらも切り捨てず、両立させる道筋を見つけ出す力。そこに、京都大学の入試傾向から読み取れる、現代社会にも通じる「地頭力」があります。
さらに、この予想問題では、『君が代』という国家的な象徴をあえて題材にしました。
京都大学が掲げる「自由の学風」を踏まえ、「国歌だから崇める」「古いから捨てる」と二者択一で考えるのではなく、そのテキストを生態学や哲学など複数の学問から読み直す力を問いたかったからです。


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