さらなる先に見据えるのは、パンチョとごちスパの“二刀流“店舗だ。
近年、2つの業態を合わせて1店舗として営業する“二刀流”な店舗が増えている。例えば、牛丼の「松屋」が「マイカリー食堂」、もしくは「松のや」とハイブリッドになっている店舗を街で見かけることはないだろうか。または、家系ラーメンの「町田商店」と油そばの「元祖油堂」、さらに「壱角家」と「油そば総本店」を組み合わせた店舗も増えている。
これはそれぞれギフトとガーデンという外食企業が運営している。二刀流にすることで来店動機を増やしたり、異なる客層を取り込んだりと、効率的な売り上げを取れると大手外食企業で広がっている動きだ。
これらに倣い、パンチョとごちスパの二刀流店舗を出すことで、ガッツリを食べたい男性だけでなく、女性や子ども、年配の人なども1店舗で同時に取り込むことができる。これにより、先ほど述べたリピート率の改善が叶う。
「フライパンを振る体力がない」離職を防ぐオペレーション革新
「社内事情としても、ごちスパは必要な業態です」と野尻氏。
この言葉通り、単なる客層拡大だけではない。「ごちスパ」の誕生は、深刻化する外食業界の人手不足と労働環境の改善に対する、強力な解決策でもある。
パンチョはガス火で鍋をあおる必要があり、スタッフにはある程度の体力が必要になる。女性スタッフにとって重いフライパンをガス火の熱い中で振り続けるのは厳しい場合があるが、スープパスタであれば、鍋でスープと麺を煮込むかたちになるのでパンチョよりも負担が少ない。「フライパンいらず」のオペレーションなのだ。
同社では近年、女性スタッフが増えているという。特にアルバイト募集では女性が集まりやすく、10年前は応募者の女性比率は2~3割だったところ、今は5~6割に増えている。
「給与や休日など、どんなに労働環境を整えても『体力的に厳しい』と退職されると悔しい。彼女たちの社員登用を狙うためにも、ごちスパは重要な位置づけです」と野尻氏は話す。実際に、ごちスパ1号店の店長も女性が務めている。


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