友達が作り、自分が伝える。その役割分担が、相佐さんにはしっくりきた。自分の発表を通じて、友達の作品に拍手が起こる。面白さが伝わり、作った本人まで褒められる。その瞬間が、たまらなくうれしかった。
人前に立ち、誰かの才能を紹介し、周囲の反応を引き出している。この経験から、相佐さんの中に一つの実感が育っていった。
素晴らしいものを持っていても、その魅力が伝わらなければ、周囲には気づいてもらえない。だからこそ、伝える人にも役割がある。
現在、相佐さんは英語教育の仕事に携わり、教育と発信、プレゼンテーションを仕事にしている。その原点をたどると、ギフテッドクラスで過ごした時間に行き着くという。
あの教室には、ゲームを作る才能も、ロボットを作る才能もあった。そして相佐さんには、その面白さを見つけ、人に届ける才能があった。天才たちの隣で「代理プレゼンター」を引き受けた少年は、彼らの才能を紹介しながら、自分自身の才能にも出会っていたのである。
日本とアメリカの教室の違い
小学5年生の終わりに帰国すると、相佐さんは日本とアメリカの教室の違いに戸惑った。
全員が同じ方向を向き、黒板の文字を静かにノートへ写していく。それぞれが好きなことに没頭していたギフテッドクラスとは、まるで違う。自分で面白いものを見つけて動くことに慣れていた彼には、その時間が窮屈に感じられた。
そんな小6の春、地元の進学塾の無料体験で出会ったのが、算数の「つるかめ算」だった。鶴と亀の足の数を手がかりに、それぞれの数を求める。答えにたどり着くために、どう考えればいいのか。単なる計算練習とは違う、パズルのような面白さがあった。
「中学受験というゲームに挑戦してみたい」


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