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〈バット直撃の川上審判員が意識回復〉頭を打った後の本当の怖さ…見逃してはいけない"数時間・1カ月"【医師が解説】

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ヘルメットを着用し試合に臨む川口亘太球審
ヘルメットを着用し試合に臨む川口亘太球審(写真:時事)
  • 久住 英二 立川パークスクリニック院長
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画像に異常がなくても、脳震盪を起こした脳の中では大きな乱れが起きています。

そのため、国際的な指針では、脳震盪の疑いがあればその日のうちの競技復帰は認めず、症状が落ち着いてから段階的に運動量を戻すことと定めています。これは部活動やアマチュアの試合でも同じです。

また、ボクシングやアメリカンフットボールなどで頭への衝撃を長年繰り返した人では、記憶障害や気分の変化、認知症のような症状が数年〜数十年後に表れることがあります。「慢性外傷性脳症(CTE)」と呼ばれていて、どの程度の衝撃でどれほどリスクが上がるのかは、研究が続いています。

酒席での転倒・高齢者は特に注意

酒席後の転倒、本当の怖さについてもお伝えしておきます。

これから忘年会やクリスマスパーティーなど、外でお酒を飲む季節を迎えますが、酒に酔って転び、頭を強く打つ事故は毎年少なくありません。

注意していただきたいのが、「意識清明期」と呼ばれる現象です。頭を打った直後に一瞬意識がもうろうとするものの、その後は普通に会話ができるようになります。ところが数時間のうちに、急に意識が悪くなり昏睡に陥る――という経過です。

典型的なのは、先に述べた急性硬膜外血腫です。頭蓋骨は硬い容器なので、ある量までは症状が目立ちません。しかし限界を超えると頭の中の圧力が一気に上がり、生命を維持する脳幹が圧迫されてしまうのです。

お酒が入っていると、周りも本人も「酔っているだけ」「眠いだけ」と考えがちです。帰宅させてそのまま寝かせ、翌朝、発見されたときには手遅れだった、という事例もあります。

酔って頭を強く打った人は、「大丈夫」と言っても1人にしないでください。

高齢者の場合で怖いのは、打った直後よりも、本人も家族も転んだことを忘れかけたころに症状が出る「慢性硬膜下血腫」です。年齢とともに脳は少しずつ縮み、頭蓋骨との間のすき間が広がります。そのため軽く頭を打っただけでも、脳の表面と硬膜をつなぐ細い静脈が引っ張られ、出血することがあります。

この時点ではCTでもはっきりしないことが多く、「たんこぶだけ」と言われます。

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