(前編:『「すれ違い困難な豪雪秘湯」 29歳で楽天チアに転身した彼女はなぜ「無期限休業の名湯」の再生に名乗りを上げたのか』)
JR北上駅から車を走らせること40分、視界を遮る濃い緑とすれ違いも難しい峠道を抜けた先に、豪雪に耐え忍んできた年季の入った宿が現れる。かつて人手不足で「無期限休業」に追い込まれ、雪の重みでボロボロになっていた「夏油温泉観光ホテル」(岩手県北上市)だ。だが、シルバーウィーク終盤のこの日、宿は前日までの混雑が一段落し、連泊の湯治客がのんびりとくつろぐ光景が見られた。
宿を壊す大雪。クラウドファンディングで追加調達
夏油温泉は岩手県と秋田県寄りにあり、「毎年5mを超える」とされる豪雪地帯だ。2025〜26年の冬は、全国的にも日本海側を中心に豪雪を記録し、夏油も例年以上に雪が多かったという。
2026年4月、雪解けを待って現地に入った2人は想像を超える光景を目の当たりにした。宿の周囲を点検してみると、3つある源泉のうち2つの館内への供給が止まっていたのだ。なかでも深刻だったのが“蛇の湯”だった。源泉から崖沿いに通した配管が雪の重みで断絶していた。重機が入れない場所で、復旧は容易ではない。さらに、配管の継ぎ目が外れて源泉が漏れている箇所も見つかった。
源泉をそのまま引き込んでいる夏油温泉観光ホテルにとって、配管は宿の心臓部。「3つの源泉をすべて再開するのは難しいかもしれない……諦めそうになりました。でも、ちょうどスタートしたところだったクラウドファンディングで、配管の修理のための追加支援をお願いしたところ、たくさんの人が応援してくれました」と村岡さん。当初は目標を200万円に設定していたが、約1カ月半で350人以上から514万円が寄せられた。


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