さすが京都人、季節に敏感、繊細な感覚を持っている……と思っていたのだが、最近はもしかして、紅葉の色づき具合が観光客の多さに比例するからではないかと考えるようになった。きれいに紅葉する年は京都へ来る観光客が増える、つまり、観光客の増減は地元民の暮らしに大きく影響する。だからチェックが欠かせないのかもしれない。
紅葉より銀杏。街の風景として秋を楽しむ
京都に住んでいると県外の友人に必ず聞かれるのが、「オススメの紅葉スポット」だ。私も京都に引っ越してきた当初は、京都人だけが知っている、知る人ぞ知るスポットを知りたくて聞きまくった。そして、いろいろな京都人に聞いて判明したことが、京都人は京都の観光スポットについて、あまり知らないということだった。
なぜか。「京都人は行列を嫌う」とはよく言われていることで、私も30年住んで、それは肌で感じている。私の考える理由としては、行列に並ばなくても、昔からひいきにしている店があったり、何かしらの繋がりがあって並ばずに買うことができたりと、時間をかけて並ぶ必要がないためだ。また、見栄えや周囲への配慮から、並ぶことをよしとしない雰囲気もある気がする。
どちらにせよ、並ぶことが嫌いな京都人は、大勢の観光客で混む観光地に近づかない。よって、どこがオススメなのかも知らない。この記事を書くに当たり、改めて生粋の京都人たちに話を聞いたところ、やはり秋にわざわざ観光名所に行くことはしておらず、むしろあえて避ける人の方が多った。
そんな京都人の秋の楽しみ方。それは、わざわざ名所に足を運ぶのではなく、ふだんの風景にある中で秋を楽しむという方法だ。たとえば、京都市内を南北に走る堀川通。ここは6車線からなる大通りで、北端の紫明通から、南端の今出川通まで銀杏並木が続く。
堀川通の中央分離帯には「堀川せせらぎ公園」が整備されているので、並木通りの下を散策することも可能。たくさんの車が行き交う大通りの真ん中にあり、かつ、とても細長い公園なので、そもそも歩いている人自体が少なく、歩いているとしたら近所の人。ましてや観光客はほぼいない。
普段はわざわざこの公園を目当てに訪れることはないものの、秋になると車であえて遠回りし、車窓から見える銀杏を愛でて気軽に秋を楽しんでいる。


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