NHK連続テレビ小説『ブラッサム』の序盤で、視聴者の話題をさらったのが、主人公・葉野珠の父・葉野清治だろう。
岩国の蔵元の長男に生まれながら、家督を弟に譲って働きもせず、実家からの仕送りで気ままに暮らす。娘の珠に対しても横暴に振る舞う父親を、渡部篤郎が演じて話題となった。
そんな清治の激しさが極まったのが、10月1日放送の第4回である。この回の清治は、珠が書いた「父について」の作文を大笑いしながら褒め、町の人々に見せて回るほど上機嫌だった。
カナリアを逃がした妻に激怒
ところがその直後、事態は一変する。清治がかわいがっていたカナリアを、妻のリョウ(演:国仲涼子)が誤って鳥かごから逃がしてしまったのだ。
「カナリアはどこじゃ」とうろたえた清治は、リョウに鳥かごを投げつけて激高。「いますぐ連れ戻せ」と責め立て、ついには妻が実家に帰ってしまう。上機嫌からの急転直下に、SNSでは「感情ジェットコースター」といった声も上がった。
小鳥一羽のことで……と思うかもしれない。だが当時、小鳥は家族の暮らしに溶け込んだ存在だった。明治の人々にとって小鳥を飼うことは、決して珍しい趣味ではなかったのである。
日本人と飼い鳥の付き合いは長い。江戸時代には、大名や旗本から長屋の庶民までを巻き込んだ、いまでいう「ペットブーム」が起きていた。


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