トンネルの先には暗闇が広がっており、光は一切見えない。こりゃ懐中電灯を持参してきたのは大正解だったな。とはいえ、きっと1分くらい歩けばトンネルを抜けるはず……。バッグから懐中電灯を取り出すのも面倒だ。私はスマホのライトを片手に、それはそれは軽い気持ちでトンネルの中に入った。
トンネルの中は完全に闇の世界。スマホライトでは周囲を照らすのに限界があった。懐中電灯をバッグから取り出したいが、ヒンヤリと空気が冷たいこの場所で、今にも貞子が襲ってきそうなこの場所で、悠長に懐中電灯を探すほど私の肝っ玉は太くない。
トンネル内には水が溜まっている箇所や、大きめの石が転がっている箇所があったが、すべて無視して急ぎ足で突き進んだ。上から落ちてきた水滴が首筋に当たったときは「ヒヤッ!」と声が出た。トンネルの先に光が見たときは「ヨシッ!」と声が出た。
まさかの「昼間から肝試し」状態
真っ暗闇の時間はおおよそ1分くらいだったが、体感時間はものすごく長く感じた。トンネルそのものは4~5分くらいあれば通過できた。私は「まさか昼間から肝試しをする羽目になるとは……」「千と千尋の神隠しのホラー版みたいなトンネルだったな」などと思いながら、気を取り直して“絶景”を楽しめるハイキングを再開したのだけど……。


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