本稿の読者の多くは、経営者やそれに近い方、管理職の方だと思います。
「働く人がどんな気持ちでいようが、そんなことは関係ない。結果を出せばいい」と思っているかもしれません。
しかし、仕事や職場にネガティブな感情があれば、長い期間にわたって結果を出し続けることは難しくなりますし、指示されたこと以上の行動も引き出しにくくなります。さらに、後者の問題(自らの意志で、より良い成果につながる行動をしない社員の増加)は、以前にも増して組織にとって深刻になってきています。
いずれにしても、「成果を出し続ける会社にしよう」と思えば、組織と働く人の感情を整えていく感情のマネジメントが重要になってくるのです。
「管理型マネジメント」から「協働型マネジメント」へ
昨今のマネジメントスタイルは変化しています。もちろん、業種や職種などによって異なる部分はありますが、管理型のマネジメントから協働型マネジメントへシフトしているのが昨今の潮流です。
工業化社会から情報化社会へ変わって久しいといわれますが、管理型のマネジメントは工業化社会に適したマネジメントスタイルだといわれています。
工業化社会とは、大量生産の時代でした。つまり、いかに大量に、同じものを、早く正確に作るかが求められていた時代です。それに応えるために綿密な計画が立てられ、その計画が的確に実行されるよう、詳細なマニュアルが作成されました。
そして、管理職といわれる一部の人に指示命令権を与え、計画とマニュアルが実行されるように管理させたのです。
非常に大雑把にいえば、部下に対して、「君たちは余計なことは考えるな。このマニュアルと私の指示をよく聞いて、言われたことを正しく実行せよ」ということです。
こうした背景から、指示されたことやマニュアルに書かれたことを大量に、正確に、早くできる人が評価されていました。
しかし、時代は変化しました。情報化社会といわれる現代では、「大量に、早く、正確に」はIT、AI、ロボットに置き換えられています。人間は、これらの分野ではAIなどにかないません。


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