デジタル作業ダイヤでは、諸条件を入力すればAIが自動的にシフトを作成するほか、急な欠勤時のシフト調整でもAIが代替要員を提案するといった機能もある。
沖縄都市モノレール、西日本鉄道などの協力を得て駅事務所などで実証実験を行い、有効性を確認した。これまで手作業で何十時間もかかっていた作業が、5分の1程度に短縮されたという。AIなら瞬時に答えが出るのではないかと思ったが、「結果を確認して手直しするという作業も含めて5分の1程度」とのことだった。現在はPoCを進めている段階。「ここが使いやすい」「こんなことができればいい」といった現場の声を受け、製品化に向け開発中という。
鉄道業界の課題にデジタル技術
南海電鉄と日立製作所は疑似量子コンピュータ技術を活用して、鉄道の乗務員運用計画や車両運用計画を自動作成するシステムの開発に着手した。三菱電機のデジタル作業ダイヤもこうした作業ができるか確認したところ、乗務員の運用計画は前提条件が多く作成時間も駅務員シフトとは比較にならないほど長くかかるという。デジタル作業ダイヤは駅務員向けに特化させることで、良好に機能しているようだ。
一方で、鉄道だけでなく、「同様の悩みを抱えるバス、タクシー、空港、さらに駅周辺のホテル、警備などにもサービスを展開していきたい」としていた。
車両の前方障害物検知システムから駅務の業務効率化まで、鉄道業界が抱える課題に対し、三菱電機は独自のデジタル技術で多角的にアプローチしている。「車両を造らない鉄道メーカー」として培ってきた現場への深い理解と柔軟なソリューション提案力は、国内にとどまらず、人手不足や安全対策に悩む世界の鉄道市場でも強固な存在感を示す武器となりそうだ。

