こちらはど真ん中の正統派チキンバーガーだ。サクサクの衣、鶏肉のうまみ、甘辛いソースが重なり合う。甘みはやや強めだが、はみ出すほどたっぷりのマヨネーズがいいアクセントになっている。
本来はバーガー2つで終えるつもりだった。ところが、店頭のメニューを眺めているうちに、どうしても気になる品が目に入り、思わず追加で注文してしまった。
1つは店舗限定の「名古屋手羽先風クリスピーチキン」(320円)だ。口に入れた瞬間に広がるこしょうの風味が、名古屋名物の手羽先を思い起こさせる。こしょうの刺激と甘みのバランスがよく、片手で持って歩きながら食べられるのもいい。
もう1つは「かりんとう饅頭」(1個260円)。どむぞうくんの焼き印が押された表面は、かりんとうのようにカリッとした衣になっていて、中のあんこもおいしい。
名古屋の喫茶店では、モーニングのトーストに小倉あんを載せるのが定番だ。あんこが日常に溶け込んだこの街で、ハンバーガー店のあんこ菓子は不思議と様になる。
名古屋に遊びに来た友人を連れてきても、きっと納得してくれるだろう。箱代と手提げ袋代込みで6個入り1490円の箱もあり、持ち帰って家族や友人と分け合うのにもよさそうだ。
「絶滅危惧種」からの復活
ドムドムハンバーガーは、日本で最初のハンバーガーチェーンとされる。1970年、スーパーのダイエーが東京・町田に1号店を開いたのが始まりだ。
最盛期には全国で400店舗以上を構えたが、ハンバーガー市場の競争激化や、親会社ダイエーの経営悪化とともに縮小が続いた。17年に事業再生を手がけるレンブラントホールディングスへ経営が移った際、引き継がれた店舗はわずか36店。一時は「絶滅危惧種」とまで呼ばれた。
流れを変えたのが、18年に社長に就任した藤﨑忍氏だ。専業主婦から39歳で初めて就職したという異色の経歴を持つ藤﨑社長のもと、「丸ごと!!カニバーガー」をはじめとする個性的な新商品が次々と話題を呼んだ。
どむぞうくんのグッズ販売などキャラクタービジネスも収益源に育ち、20年度には黒字化を果たした。店頭のぬいぐるみやTシャツの充実ぶりは、こうした戦略の表れでもある。
そして26年7月28日、ドムドムは約10年ぶりに愛知県へ戻ってきた。その場所こそが、今回訪れた大須万松寺通店だ。


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