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今回登場するのは、岡田さん(仮名)。彼の話を聞いていて印象に残ったのは、成績の良さ以上に、受験への愛情だった。
「テストの前日、楽しみすぎて夜眠れなかった」
試験を控えて眠れなくなる人はいる。けれど、その理由が不安ではなく、楽しみだったという人は、そう多くないだろう。岡田さんにとって、受験は自分から夢中になれる遊びだった。
その少年はその後、どうなっていくのか。彼の歩みには、「勉強ができる」という言葉だけでは捉えきれない、学ぶ楽しさと難しさがある。
小4の春、塾が楽しみな場所になった
岡田さんは一人っ子として育った。父親は旧帝大卒、母親は短大卒。両親が勉強に対して熱心だったわけではない。勉強が特段好きだったわけでもない。だが彼は中学受験をすることになる。きっかけは、地元の中学校が荒れているという噂だった。積極的に難関校を目指すというより、別の進学先を考えた結果、受験を選んだのだという。
そんな消極的な理由だったにもかかわらず、小学4年生から通い始めた塾で、岡田さんは問題を解く面白さに夢中になる。塾の勉強がとにかく楽しかったのだという。
毎週、新しい問題を教わる。最初は解けなくても、解き方を知り、演習を重ねれば、できるようになる。次の授業では、また新しい問題に出会う。その繰り返しが楽しかった。
「勉強が好きというより、与えられた問題が解けるようになるのが好きだった」


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