チェックアウトしてから、スマホをほとんど触っていなかったことに気がついた。
普段なら、少し時間が空けばSNSやメールを確認する。ベッドに入ってからマンガアプリを見るのもスマホだ。ところが、この1泊2日では、スマホを手に取る時間が極端に少なかった。
代わりにずっと手にしていたのが、紙のマンガだった。
ページをめくる音や紙の手触りは、スマホの画面では味わえない。何より、通知が届くことも、別のアプリを開いてしまうこともない。紙のページをめくっている間は、その作品だけに意識を向けられる。
久しぶりに味わえた「1つのことに集中する時間」
効率を求めるあまり、マルチタスクが当たり前になっている今、何か1つのことに没入する機会が少なくなってきた。
マンガアートホテルで過ごした1泊2日は、そんな日常から少しだけ離れる時間だった。テレビもなく、仕事のメールやSNSを気にすることもなく、ただマンガを読む。気がつけば、6時間、3時間と時間が過ぎていた。
マンガを読むためだけにホテルへ泊まる。最初は少しぜいたくな使い方にも思えたが、読み終えたときに残ったのは、普段にはない充実感だった。
忙しい毎日の中で、何か1つのことに集中する時間をつくる。マンガアートホテルは、マンガを読む場所であると同時に、そんな時間の過ごし方を思い出させてくれる場所なのかもしれない。


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