アプローチは異なるが、どちらも値上げを隠さず伝え、長年価格を維持してきたことへの思いを消費者に率直に示した事例と言える。加えて、低価格帯の商品であることも大きいだろう。最大限の企業努力により低価格を保ち続けてきたことが消費者にも伝わるからこそ、そのコミュニケーションに価値が生まれ、広告そのものが大きな話題となったと言える。
その点、今回のシャウエッセンの広告は妙にポジティブであり、「正直に言えばいいのに」と消費者に思わせるものだった。また、宣伝色が混ざったこともあって、「上手いことを言おうとしてるのかな?」という印象を消費者に与えてしまうものでもあった。
確かに、内容量の減少や、それに伴う実質的な本数減は大きな変化であり、なんとか軟着陸させたい気持ちも理解できる。ただ、だからといって「時代に負けてたまるか。」とポジティブに表現しても、消費者にはすぐ実質的な値上げだと伝わってしまう。ガリガリ君は特殊な成功例であって、(実質)値上げをポジティブに受け取ってもらうことは、基本的には至難の業なのだ。
実質値上げをポジティブに伝えるのは諦めるべき?
そもそも、シャウエッセンはウインナー界で確固たる地位を確立した商品だ。内容量を保つために値上げしたとしても、消費者は許容したのではないか。シャウエッセンとは、それだけの金額を払ってでも食べたいと思わせる商品なのだ(もちろん、スーパー側が単純な値上げを嫌う、などの事情はあるのだろうが……)。
ハイブランドならハイブランドとしての矜持を持ち、「物価高にあらがえないので値上げします」「品質は落としません」とメッセージを打ち出したほうが素直に受け取れる人が多かったのではないか。結局、シャウエッセンの商品力を一番信じられていなかったのは、シャウエッセンに関わる人たちだったのかもしれない。


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