篠原さんからすれば、祖母もオーストラリアの友人も、日常を面白くしてくれる存在なのかもしれない。
「思い返せば、就活でテレビ局を受けた際に、テレビ番組の企画を考える課題があったんです。そこで芸能人の親友を紹介する番組を提案したんですね。その時に自分は、昔から祖母や友達の話をしている時が好きだし、それで周りが笑ってくれたらより嬉しい。そこに自分のルーツがある気がしています」
祖母孝行をするようになった「2つのきっかけ」
こうした発信が高じて、ディズニーや叙々苑、温泉旅行にも出かけ、ついにはハワイ旅行にもつながっていく。はたから見たら、「そこまでするのか」という疑問も浮かぶが、祖母との時間を重ねる背景には、ある出来事が関係していた。
「実は、2年前に母を亡くしており、そこでできるうちに孝行をしようという想いがかなり強くなったんです。芸人としても、比較的はやい段階で、M-1の3回戦まで行けたんですね。3回戦に進めるのって、エントリー数の3%ほどと言われており、そこまで勝ち上がれたことで割と達成感があったんです。
芸人っていくつになっても目指せるじゃないですか。それなら今しかできないことにベットしたいと思うようになった。それは同世代の友達が結婚する前に遊んでおこうとか、若いうちに海外旅行しようとかでもいいんですけど、僕の場合は祖母との時間を過ごすことでした。
ちなみにハワイの初日、部屋に到着した時の一言目は『部屋から海が見れないなんて話にならないわね』でした。そういう遠慮のなさとか、悪態をつくようなところも、裏表のない感じで最高なんです。
もちろんばあばを晒している自覚もあるし、ハワイに連れていったのもエゴではあるんです。ただ、いろんな人が自分の好きなばあばを知ってくれるのは嬉しいし、それが結果的に孝行につながってくれたらと思っています。ポジショントークにはなってしまいますが、今後も無理ない範囲でばあばとの日常を発信していきたいですね」
そんな篠原さんには、祖母にまつわる最後の“野望”もある。祖母の葬式を大々的に行い、明るく送り出すことだ。篠原さんにとって祖母は、家族でもあり、友人でもあり、笑いを生み出す相方のような存在でもある。そんな絶妙な関係性が、クスッと笑えながらも、うるっと感動できるゆえんなのかもしれない。


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