2人の家計は、なんとなく「家賃と水道光熱費は夫」「それ以外は妻」という分担になっていました。DINKsだったころは、それでも問題ありませんでした。
ところが、子どもが生まれると状況は変わります。食費に加えて、おむつ、おしりふき、ベビー用品、洋服、外食費……。1回の金額は小さくても、子どもがいると細かな出費が次々に発生します。その多くを支払っていたのが妻でした。
第1子の育児中、妻は自分の貯金が少しずつ減っていることに気づきます。
「もう少し生活費を出してほしい」
そう夫に伝えました。しかし、返ってきたのは、
「え? 俺、家賃と水道光熱費を全部払ってるよね。これ以上は嫌だよ」
という言葉でした。
夫からすれば、自分も十分に家計を負担しているつもりです。家賃も水道光熱費も、毎月まとまった金額が出ていきます。一方、妻が払う子どもの細かな費用は、夫にはほとんど見えていませんでした。
結局、第1子のときには分担を変えられず、妻の貯金だけが減っていきました。
第2子の育休で、妻が始めた「ある作戦」
数年後、第2子が誕生。妻は再び育休に入り、手取り収入も減りました。「また前と同じことになったら、私の貯金だけが減っていく」。とはいえ、もう一度「もっと出して」と言っても、夫には伝わらないかもしれません。
そこで妻は、やり方を変えました。仕事帰りの夫に、買い物を頼むようにしたのです。
「帰りに○○の粉ミルク1缶と○○ちゃん用のおむつのSを一袋買ってきてもらえる?」
「おしりふきがもうないから○○の3パックで1つになっているものをお願い」
「牛乳と子どものヨーグルトも買ってきて」
一度の買い物は数千円程度。それでも、数日おきに何かがなくなります。おむつを買ったと思えば、次は食料品。その次は日用品。夫は少しずつ、自分の財布から子どもの生活費を払うようになりました。
そしてある日、夫がぽつりと言いました。
「……ごめん。そりゃキツいよね」
実際に自分で買い物をすることで、夫は初めて、妻が負担していた細かな出費の大きさに気づいたのです。それ以降、夫婦のお金の話は格段にしやすくなりました。家計について話し合う機会も増え、資産も少しずつ増加傾向にあるといいます。


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