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ベルリンの中心駅の一つ「動物園駅」近くのビルの中に、「保守主義図書館」(BdK=Bibliothek des Konservatismus)がある。保守主義思想の資料を集め、研究会、講演会を主宰している。9月8日に訪ね、ドイツの保守思想の歴史や、右派ポピュリズム政党「ドイツのための選択肢(AfD)」の思想的背景などについて話を聞いた。
BdKは作家、出版者であるカスパー・フォン・シュレンク=ノッツィング氏(1927~2009年)が残した資産や蔵書をもとに2012年に開設された。
第2次世界大戦後、国民社会主義(ナチズム)とは一線を画しながらも、中道保守政党キリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)が担う思想より右の立場をとる知識人がいた。これらの人々を総称して「新右翼」(Neue Rechte)と呼ばれることもある。
ミュンヘンの名家が遺した図書館
フォン・シュレンク=ノッツィング氏は1970年に雑誌「クリティコン」を創刊し、30年以上編集責任者としてこれら知識人に発表の場を提供した。また、本人も戦後連合国が行った非ナチ化政策が、ドイツ人の歴史意識や文化的アイデンティティを歪めたなどとする著作を出版した。
日本でいえば、竹山道雄、林健太郎、福田恆存、三島由紀夫、高坂正堯、江藤淳、西尾幹二といった作家、学者を思い浮かべれば感じはつかめるかもしれない。もっとも日本の場合は、自由民主党が、CDU・CSUよりも右の政治勢力を包摂した政党なので、単純に比較はできない。また、かつては「保守反動」などとされたこれら知識人も、多分に中道保守、あるいはリベラル保守といえる面を持つ。
フォン・シュレンク=ノッツィング家はミュンヘンの名家で、カスパー氏も資産があった。また保守主義に関する文献を2万冊収集していた。2000年に保守主義思想の普及を目的とする財団を設立し、図書館設立を計画していたが、実現を待たず2009年に死去した。その遺志を継いで、他の保守主義思想家の蔵書も加え、4万冊の蔵書があるBdKが設立された。
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