AIの活用で生産効率が飛躍的に向上した
筆者は長く大学で教育・研究をし、その後は研究機関の運営や科学技術政策にも携わってきた。文章を書くこと、資料を読み、考えを整理し、政策提言や報告書にまとめることは、何十年も続けてきた日常的な仕事である。そのやり方が、71歳にして突然変わった。
9月下旬、政策提言、政府の科学技術顧問としての4年間を振り返る報告書、新しい組織の構想、さらにAIと知的生産についての複数の論考を、ほぼ同時並行で書いた。
もちろんAIに「書いて」と頼んで出来上がったわけではない。材料も問題意識も判断も筆者自身のものである。それでも、これまでなら到底この速度では進まなかった。体感的には、知的生産の速度が一気に何十倍、時には100倍になったようにさえ感じる。
何が起きたのか。きっかけは、スマートフォンへの音声入力だった。使用している機種は、アップルの「iPhone Air」である。利用しているAIツールは、おもにオープンAIの「チャットGPT」。それ以外に、アンソロピックの「クロード」やグーグルの「ジェミニ」も併用している。
音声入力そのものは1年ほど前から使っていた。しかし、便利ではあるが、時々使う程度だった。転機は9月に入ってからである。話した言葉の認識精度が上がり、多少の誤変換があっても、生成AIが前後の文脈から「筆者が何を言おうとしているか」をかなり正確に理解してくれることに気づいたのだ。
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