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62歳、スタート直後に転んで眼鏡が壊れ…屈辱から12年《73歳でリレー世界記録》74歳の現役園長が実践する「衰えない」習慣

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73歳でリレーの世界記録を更新、74歳の今も週2回グラウンドに通う松尾真弓さん
73歳でリレーの世界記録を更新、74歳の今も週2回グラウンドに通う松尾真弓さん(写真:筆者撮影)
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そして、2019年にはW65(マスターズ陸上、65歳以上が出場できる競技)の60m走、2022年には、W70の60m走、2024年にはW70の100m走で、それぞれ日本新を更新。年齢を重ねながら、着実に記録を積み重ねていった。けれど、松尾さんが目指していたのは、記録をどこまでも伸ばすことではなかった。

怪我をしないことと、記録を落とさないこと。

若い頃のように、練習量を増やせばタイムが伸びるわけではない。だからこそ、限界を超えるような努力をするのではなく、年齢に見合った運動量を守り、無理をせず、できるだけ長く走り続ける。

「怪我をせず、とにかく長くやれば、生き残れるよ」

国家資格を持つ、治療の専門家である夫から、そう言われてきた。夫の心身共のメンテナンスなくしては、今の自分はないと松尾さんは感謝を込めて語る。長く走り続けてきた人ほど、無理をして怪我をしてしまい、記録が落ちて引退してしまうこともあるという。

そうして迎えた2025年11月、東日本マスターズ陸上選手権大会。神奈川県チームから4×100mリレーへの出場を誘われた。でも、リレーでの大会出場は初めて。悩んだ末に、出場を決めた。

松尾さんは1走を務め、仲間へバトンをつないだ。チームのタイムは1分00秒09。2015年にドイツのチームが記録した1分00秒31を0秒22上回る、世界記録だった。

走り終えた松尾さんは、世界記録と知らされても、すぐには信じられなかったという。

2025年の東日本マスターズ陸上選手権大会、4×100mリレーで1走を務め、1分00秒09秒の世界記録を達成した(写真:筆者撮影)

「まったく想像もしていなかったので、信じられなくて! うれしくて、宙を飛んでいるような気分でした」

子どもの頃から大好きだったかけっこ。62歳で再び走り始め、怪我をせず、長く続けることを大切にしてきた。その先に、73歳で待っていたのが、思いがけない世界記録だった。

園で始めた「かけっこ教室」、枠がある中の自由を伝える

保育園でも5年ほど前から、年長児と学童向けの「かけっこ教室」を始めた。参加者には、園長の手づくりの小さなパンフレットが配られ、走り方、教室の目的、タイムを記録できる欄がある。

2025年度の年長クラス。初めは走るのを嫌がっていた子も、次第に楽しく走れるように(写真:葉山にこにこ保育園)
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