これまで、何度入院したのか数えきれない。どれほど泣いたのかわからない。しかし幸子さんの涙は、理不尽な運命を呪うものではなく、人の力を借りながら生きる自分が「誰かの時間を奪ってしまっている」と感じる自責に近い。
「かといって、もしも私が自暴自棄に投げ出してしまったら、助けてくれている皆さんに申し訳が立ちません。だから腐らずに、しっかり治療に取り組むことが恩返しだと思っています」
自分で調べて納得した上で、投薬や治療に向き合う
医師の話を聞くだけではなく、自分で調べて納得した上で、投薬や治療に向き合うことにした。
ステロイド治療由来による糖尿病ともうまく付き合う工夫を続けている。食後の血糖値の変化をしばらく観察し、あえて医師の指示からずらした時間帯にステロイドを服用するほうが、終日、血糖値が安定することなどを体得した。
「お医者さまのことは頼りにしても、治すのは自分自身。そう思わなければ、もしも数値が悪くなったときに誰かのせいにしてしまう。必ず自分で納得した上で治療に入ることが大事だと思っています」
難病に認定されたことにより、高額療養費制度に「特定医療費(指定難病)助成制度」を組み合わせられるようになった。要介護度5の認定を受けており、身体障害者手帳もある。行政支給のタクシー券では、車椅子で乗れる介護タクシーを頼むこともできる。
人的サービスの利用は現在、ヘルパーの訪問が週1回、リハビリが週2回。排泄障害に伴う感染症リスクを避けるため、週6回の訪問看護による排便介助や洗浄も欠かせない。週に1回は訪問入浴もあり、月に2回は訪問診療を受けている。
「皆さんの税金のおかげで生かしてもらっている」と、幸子さんは感謝の言葉を繰り返したが、税金だからこそ、国民の命を支えることに使われてほしい。


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