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習近平の母校「清華大」への留学で炎上した29歳福岡市長候補、「完璧な物語」に生じたほころび

11分で読める
佐々木彩乃氏
福岡市長選に立候補を表明した佐々木彩乃氏=18日午前、福岡市(写真:共同)
  • 浦上 早苗 経済ジャーナリスト、法政大学MBA兼任教員(コミュニケーションマネジメント)
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情報を緻密に選び、物語を作り込むほど、受け手の目は「何が書かれているか」だけでなく、検索すれば見つかる他の情報との「整合性」にも向く。

それまで普通に公表してきた大学名を、選挙サイトでだけ「海外の大学院」とした。その編集に気づかないほど、現在のネット世論は節穴ではない。

企業の危機管理でも、ある情報を目立たせないようにした結果、その事実以上に「なぜ隠したのか」が問題になることは珍しくない。今回さらに皮肉なのは、清華大学修了はそもそも「不都合な事実」ですらなかったという点だ。

発信の責任は誰に

佐々木氏の公式サイトの構成や、記者会見でのメッセージの作り込みを見ると、専門の選挙プランナーがPR戦略に関わっていることは想像にかたくない。

しかし、誰が文章やPR戦略の制作に関わったとしても、候補者の名前で公開された公式サイトと、候補者本人が記者会見で発した言葉であることは変わらない。

人々が見ようとするのは、きれいに編集された物語の「行間」である。

なぜ、それまで普通に公表していた「清華大学」という大学名が、市長選向けのプロフィールでだけ「海外の大学院」になったのか。

なぜ、「米国発」や「孫正義氏」は強調する一方で、大学名を書かなかったのか。

そして、なぜ疑問が出たあとに、「中国の大学院に入ったというより」と説明したのか。

その小さな「?」の積み重ねが、本来は問題ではなかった経歴に、大きな疑念を生んでしまったのではないだろうか。

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