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ライフ #自動車最前線

四隅まで手が届く感覚、驚きの取りまわし…世界限定75台、アストンマーティン「DB12 S Volante」の数値に現れない魅力

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「DB12」のハイパフォーマンス仕様として用意された「DB12 S」(写真:三木 宏章)
  • 宮城 光 モビリティスペシャリスト
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DB12 S Volanteのメーターまわり(写真:三木 宏章)

そして帰路。ルーフを閉じる。わずか16秒。ルーフ閉じたDB12 S Volanteは、先ほどまで屋根のなかったクルマとは思えないほど静かになる。常識的な速度領域では、風切り音は気にならないだろう。言われなければ、これがオープンカーだと気づかない人もいるだろう。

開ければ空と音を取り込み、閉じればグランドツアラーになる。この切り替えの鮮やかさも、Volanteという名前にふさわしい。

DB12-S Volanteは、V8ツインターボの力強さに目がいくが、その力強さをドライバーに恐怖として感じさせないシャシーセットアップに注目してもらいたい。

箱根を下り、再び東京へ戻る。私はステアリングを握りながら、改めて思った――。

DB12 S Volanteの最大の魅力は、700PSでも、0-100km/h加速3.6秒でも、最高速度325km/hでもない。ステアリングを握り走り出せば、その印象とは裏腹に、4つのタイヤがどこにあり、今どのタイヤが何をしているのかが体へ返ってくる。

四隅まで手が届く。

それは単なるサイズ感の錯覚ではない。路面からの入力を感じ、サスペンションの動きを感じ、ステアリングを通してクルマの状態を感じる。そのグランドフィードバックがあるからこそ、実際の取りまわしが驚くほど軽快に感じられる。

優雅なスタイルと圧倒的なパワー、すべてがドライバーの手の内にある

筆者とDB12 S Volante(写真:三木 宏章)

距離を走っても疲れない。それどころか、走るほどクルマとの親和性が高まっていく。そして私は、改めてこのクルマの不思議な魅力に気づいた。

目の前では圧倒的なアピアランスを放つのに、走り出せばドライバーの手の内に入ってくる。

アストンマーティンDB12 S Volante。それは、ロング&ワイドの優雅さと700PSの獰猛さを持ちながら、最後にはドライバー自身がそのクルマの四隅まで感じ取れる。そんな、現代のアストンマーティンだった。

【写真を見る】四隅まで手が届く感覚、驚きの取りまわし…世界限定75台、アストンマーティン「DB12 S Volante」の数値に現れない魅力(99枚)

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