この図で重要なのは、排出量の異なるどのシナリオであっても、累積排出量が増えるほど、つまり二酸化炭素を排出すればするだけ、温暖化がほぼ同じペースで進むということです。
時間軸で見ると(横軸を「時間」にすると)将来の気温変化は排出シナリオによって大きく変わります。しかし横軸を「これまでに出した二酸化炭素の合計」にすると、温暖化との関係が統一的にわかりやすく示されます。
地球がどこまで温暖化するかは、二酸化炭素を累積でどれだけ出したか次第である、ということです。この累積排出量の考え方は、「カーボンニュートラル」の科学的根拠にもつながります。
気候予測の「不確実性」とは
Q:未来の気候予測はどこまで信頼できるのか?
A:不確実性は「何もわからない」ではない
温暖化による将来の気温上昇や雨量の変化などは、いつも1つの数字でぴたりと示されるわけではなく、ある程度の幅を持って示されます。
こうした予測の幅を説明するときに、よく使われるのが「不確実性」という言葉です。ですが、この言葉を聞くと、「結局、専門家にもよくわかっていないのではないか。未来の気候予測は信じられないのではないか」と感じる人がいるかもしれません。
けれども、気候予測で使われる「不確実性」は、たいていの場合、「何もわからない」という意味ではありません。「大まかな方向や中心となる見通しはある」のですが、「それを1つの数字だけで言い切るのではなく、その周りにどのくらいの幅があるのかも示す」という意味です。
たとえば、温室効果ガスが増えれば「世界平均気温が上がる」という方向ははっきりしています。ただし、将来どのくらい上がるのかを考えるときには、排出量やモデルの違い、自然のゆらぎなどが関わるため、気温がどれだけ上昇するのかについては一定の数値の幅を持って示す必要があるのです。


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