IPCCの評価では、2081〜2100年の世界平均気温は、排出が最も少ないシナリオでは1850〜1900年平均より1.0〜1.8℃高くなる一方、排出が最も多いシナリオでは3.3〜5.7℃高くなると見積もられています。
このように低排出に向かうか、高排出が続くかで、将来の世界は大きく変わることをこの図は示しています。2026年の時点では、残念ながら世界の排出量は減り始めておらず、真ん中のシナリオに近い推移をたどっています。
「気候感度」と「累積排出量」
将来の気温上昇の大きさは、排出シナリオだけでなく、地球が二酸化炭素の増加にどれくらい敏感に反応するかにも左右されます。その目安となるのが「気候感度」です。
これは、大気中の二酸化炭素濃度が2倍になり、その影響が大気や海など気候システム全体に十分行き渡ったとき、世界平均気温が何℃上がるかを表す指標です。二酸化炭素の濃度を2倍にしてそのまま保つという、現実には起こらない状況をあえて置くことで、条件を単純化して、地球が二酸化炭素の増加にどの程度敏感に反応するかを見る基本的な指標が、気候感度です。
IPCC第6次評価報告書では、気候感度の中心的な推定値は約3℃で、2.5~4℃の範囲に入る可能性が高いと評価されています。水蒸気や雲、雪や氷などの変化が、温暖化をどの程度強めるかに不確実性が残るため、幅が生じるのです。
そして気候感度が高いほど、同じ排出シナリオでも将来の気温上昇は大きくなります。
将来の温暖化を考えるうえでもう1つ大事なのが「累積排出量」という見方です。これは、ある年にどれだけ二酸化炭素を出したかではなく、工業化以降、人間社会が合計でどれだけ二酸化炭素を出してきたかを見るものです。
図:累積二酸化炭素排出量と世界平均気温上昇の関係(出典:IPCC 第6次評価報告書 第1作業部会Figure SPM.10 を元に作成)
上の図は、累積二酸化炭素排出量と世界平均気温上昇の関係を示したものです。横軸は1850年以降に人間活動で排出された二酸化炭素の累積量、縦軸は1850〜1900年平均を基準にした世界平均気温の上昇量です。


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