一方で、高市首相の「側近たち」は悲喜こもごもだ。城内実経済財政担当相と小野田紀美経済安保担当相は閣内にとどまったが、沖縄北方担当相だった黄川田仁志氏と参院側の官房副長官だった佐藤啓氏は閣外に去った。
参院奈良県選挙区選出の佐藤氏は高市首相の「秘蔵っ子」と言われたが、派閥のパーティー券収入をめぐって306万円の裏金が発覚。これに反発した野党が佐藤氏の参院議院運営委員会での出席を拒否したため、2月に「出禁」が解除されるまで、衆院側の尾崎正直副長官が代わって対応せざるをえなかった。
黄川田氏は菅グループだが、2021年と25年の自民党総裁選挙で高市首相の推薦人に名前を連ね、25年の出馬会見では司会を務めるほど高市首相に近かった。だが、記者を指名する際に「顔の濃い人」などと繰り返し、高市首相が謝罪した。
沖縄・北方担当相として納沙布岬から歯舞群島を視察したときも「一番外国に近いところ」と感想を漏らし、「北方領土は日本の固有の領土」とする政府見解に反しているのではないかと批判された。
首相臨時代理3位・細野氏を重用した理由
その黄川田氏の代わりに菅グループから、元総務官僚の藤井比早之氏が総務相に就任した。佐藤氏に代わる参院側の官房副長官には、麻生派の中西祐介氏が抜擢された。
そして麻生派からは、国家公安委員会委員長だった赤間二郎氏に代わり、元国土交通官僚の井林辰憲氏が国交相に就任。井林氏と同じく静岡県に地盤を持つ細野豪志氏も、復興相に抜擢された。
民主党から政治キャリアを始めた細野氏は、第2次菅直人内閣で原発担当相に就任。野田政権では環境相などを歴任した。その後、民進党や希望の党を経て、21年11月に自民党に入党した。
だが、静岡県連にはなかなか受け入れられず、衆院静岡5区で細野氏と戦ってきた吉川赳氏が未成年の女性との飲酒問題で22年6月に離党すると、その1年後にようやく支部長就任が決定した。
それが今回の初閣議後の記念撮影では高市首相と並び、首相不在時の臨時代理の順位は木原官房長官、茂木外相に次いで3位となった。26年に及ぶ細野氏の政治キャリアに加えて、高市首相自身も「外様」であるがゆえの厚遇なのかもしれない。
だが、これにはもう1つの目的が見え隠れする。それは、細野氏が所属する武田グループの存在だ。


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