しかし、りんはドラマ後半に至るまで、仕事と子育てに追われ恋愛どころではない。結果として「恋愛が成就する悦び」や「誰と結ばれるかという盛り上がり」に欠けたまま、物語はうっすら停滞感を抱え続けることになった。
男性陣の中で最も本命感のあったシマケンが、たまに登場しては去っていくのを見ながら、SNS上では「シマケンのエピソードは必要なのか」という疑問の声が散見された。これは極めて珍しいことだった。
高いポテンシャルを持ちながら「宙に浮いた」シマケン
シマケンを演じたのは、関西のアイドルグループ「Aぇ! group」のメンバーとして人気・実力ともに高い評価を得ている佐野晶哉だ。シマケンがはじめて登場したとき、ウィスパーボイスや柔らかいたたずまい、流暢なフランス語まで話す姿は、彼を知らない層にも強いインパクトを残した。
バラエティやトーク番組で見せる聡明で好感度の高いキャラクターもあり、従来の朝ドラであれば右肩上がりに人気を獲得する、いわゆる「朝ドラブレイク枠」だったはずである。佐野はアイドルとしての認知度はすこぶる高いが、朝ドラを見る老若男女層にはまだリーチしておらず、これを機会にそれが可能だったはずだ。実際、認知度は上がったと思う。
しかし、今回のシマケンという役は、視聴者からの熱狂的な支持が集まりにくかった。かつての朝ドラであれば、主人公の相手役は視聴者に温かく迎えられ、その恋の行方を応援され、結ばれた際にはまるで身内のように祝福されるのが通例であった。


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