有料会員登録
ライフ

「騒音トラブル解決人に聞く」隣人が原因とは限らない! 騒音発生源は50m先の地下だった?!「科学的エビデンス」収集術

21分で読める
生活騒音注意の書面イメージ
騒音の意外な発生源から、マンションの騒音トラブル解消のポイントまで解説 (写真:花咲かずなり/PIXTA)
2/8 PAGES
3/8 PAGES
4/8 PAGES
5/8 PAGES
6/8 PAGES
日本音響研究所がマンション管理組合→管理会社から依頼を受けて、実際に物件での騒音調査を行い、報告書を提出するまでの期間を示したスケジュール表。このケースでは約4カ月に及んだ。専門家に調査を依頼しない場合はこれより期間は短くなると考えられるが、いずれにせよ、マンションの騒音トラブルの解消までには一定の時間を要するといえる(出典:日本音響研究所)

「リニアPCM」を活用、説得力のある状況証拠の準備を

では、管理組合に打診する際にはどんな準備が必要なのでしょうか。鈴木所長は、できるだけ詳細な記録を用意することが重要と話します。

「聞こえ始めた時期、発生の曜日・時間帯、音の継続時間、聞こえる場所、発生時の天候、温度・湿度、夜眠れない、仕事がしづらいなどの具体的な被害などをまとめたメモ、さらには『ドン』『カンッ』など、どのように聞こえた音だったかも言語化して『文書』にしておくことが大切です。一刻も早く騒音をなくしたいと考える方は多いと思いますが、まずは一定期間、記録を取ること、例えば1カ月程度続けることで騒音発生のパターンが見え、確度が上がります」

■記録すべき項目(1か月程度の継続がポイント)

カテゴリ 記録する具体的内容
日時・環境 時期、曜日、時間帯、天候、温度・湿度
音の状況 発生場所、継続時間、音の表現(「ドン」「カンッ」など)
被害状況 「夜眠れない」「仕事に支障が出る」などの具体例

そしてさらに肝心なのが、騒音を録音する機材です。

「最近では、その音が何デシベルだったかを測定できるアプリをスマホにダウンロードして利用されたり、ビジネス用のICレコーダーを使われたりする方もいらっしゃいますが、いずれも、発生時刻や頻度の記録には役立ちますが、低周波音や音圧の正確な評価には限界があります。また、再生音のスピーカーが小さいため、特に低音が聞きづらいケースも見られます。管理組合の理事会に持ち込んで聞いてもらっても『この程度の小ささなら我慢できるのでは?』と言われかねません。

おすすめの録音機材は『リニアPCM』と呼ばれるタイプのレコーダーです。音声データを圧縮せず、原音に極めて近い音質で記録・再生することができます。また、スペックを確認していただき人間が聞き取れる最も低い音といわれる『20Hz』の音をキャッチできるものを選んでいただくことも重要です。ご自分が聞いた音をほぼ忠実に再現できるため、スマホや通常のICレコーダーに比べると、かなり説得力が高いと思います」

文書と音声のセットを管理組合に提出して検討してもらうのが、住人同士の直接的なトラブル回避の最善策と鈴木所長は強調します。自分が騒音についてクレームを入れていると知られたくない場合は、その旨、しっかりと管理組合に伝えるようにしましょう。

なお、先述の「文書」は、自分ではそのつもりがないのに「音を出している!」とクレームを付けられてしまったときも有効とのことです。

「在宅・不在時間、家族の行動といった時間割的な記録を残しておくと良いでしょう。自分たちの行動を自己申告することになるので客観的な確証はありませんが、防犯カメラで記録するといった方法は現実的ではなく、これが最善の策になります。

騒音を出している心当たりがなく、なぜこんなことをしなければならないのかと納得できない方もいるでしょう。でも例えば、クレームをつけている人が言う時間帯に不在にしていたら、その時点でその住戸の通常の生活音が原因では無い可能性を示す有力な材料になるわけで、事実そうしたケースは少なくありません。もちろんこの申告も管理組合を通して行うもので、個人情報保護の観点から、情報を流出させないことを理事会が確約してから行うようにしてください」

7/8 PAGES
8/8 PAGES

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

ライフ

人気記事 HOT

※過去1ヶ月以内に配信した記事の閲覧数