この成長の土台になったのがApp Storeである。
ポノスは日本と米国のApple担当者との対話を踏まえ、当時まだ新しかったタッチ操作を「触っていて気持ちよい」ゲーム体験へ落とし込んだ。
野澤氏は「App Storeのプラットフォームがなければ、世界に向けて、こんなに簡単に僕らのゲームを配信できなかった」と語る。App Storeは国ごとの配信、決済、更新を共通化し、フィーチャーやTodayタブを通じて作品が発見される機会も提供した。
若林氏は「どれだけ面白いゲームを作っても、露出がないと、人の目に触れない」と指摘する。ポノスはApp Store Connectで、検索経由とストア内の閲覧経由のダウンロードを分けて確認しており、フィーチャー時には閲覧経由が明確に増えるという。
端末とOSの種類が比較的限られるiOSは、世界規模で動作確認と問い合わせ対応を続ける企業にとって、品質管理の負担も抑えやすい。App Storeは、販売棚に加えて、配信、発見、決済、分析、品質管理を束ねる事業基盤として機能した。
手数料の本当のROI
では、App Storeに支払う手数料は、この成長に見合うのか。歴史的には15~30%と語られてきたが、25年12月に日本で新たな料金体系が発表された。日本でApp Store配信されるiOSアプリのデジタル商品・サービス販売に対し、対象プログラムなどの条件に応じて10%または21%の手数料が適用される。また、Appleのアプリ内購入で決済する場合は、別途5%の決済処理手数料が加わる。なお、配信地域や決済方法、適用条件によって負担は異なり、ポノスの実効料率は確認していない。
判断には、フィーチャーによる増分ダウンロード、課金転換率、顧客生涯価値、実際の手数料総額という4つの数字が要る。現時点の公開情報では、その計算を完成できない。App Store Connectのデータなどから、フィーチャーがなかった場合と比べた新規ダウンロードの純増を推定し、同等の利用者を広告で獲得する単価を掛ければ、広告費に換算した価値を試算できる。ただし、閲覧経由の増加がすべて純増とは限らず、継続率や課金状況も別途検証する必要がある。


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