「シンガポールで出会い、夫婦でクラフトコーラの会社を起業」というプロフィールから、取材前の筆者はキラキラした創業ストーリーを想像していました。でも取材で出てきたのは、おふたりが心身を病んだり、企業の社畜となっていた理不尽でストレスフルな過去の話。
キースさんは「20代の間に、理不尽なことや、責任だけを負わされる中間管理職を経験したことは、よくも悪くも自分の生き方をスッキリさせてくれた気がします」と語り、ナオコさんは「かつては、奥歯を噛み締めながら仕事に追われていました。なんで会社のためにここまですり減っているんだ、とたまに我に返ったり……」と語ります。そうした生活から抜け出し、会社ではなく自分たちのために、ストレスなく働ける方法を考え続けた結論が起業だったそうです。
夫婦の思いがこもったクラフトコーラは順調に販路を拡大
ちなみに、彼らの会社名は「株式会社Keithland(キースランド)」。ナオコさんいわく、「トバトバ(うきうき)という言葉を自分たちの行動指針としているように、ふざけた会社名にしたのも、仕事=大変という思い込みを払拭したかったからです」。
また、ナオコさんが喜界島に帰ろうと思った理由のひとつには、喜界島の祖先崇拝の文化も関係したそうです。喜界島では先祖は「うやふじ」と呼ばれ、深く崇拝されています。ご先祖のためにも、島に恩返ししようという気持ちもあったのだとか。
そんなさまざまな思いを経て生まれたトバトバコーラは、クラフトコーラが注目を集めるようになった時期と重なったこともあり、順調に販路を広げています。オンライン販売のほか、「DEAN & DELUCA」など全国で取扱店契約を交わしており、さらに近年は台湾のイベント販売でも順調な売上を見せているそうです。
とはいえ、実はナオコさんのメンタルの不安はいまだ完全に解決されたわけではありません。次回は、この夫婦が、会社を運営しながら、どんなふうに暮らし、家事育児分担をしているのかを紹介します。


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