乙女姉さんの勢いはとどまるところを知りません。もう押されて、押されて、押されて、押された龍馬は……壁へ背中をぶつけて。もう毎日のように乙女姉さんのスパルタ教育がされたのでございます。
乙女姉さんはそれだけでなく、礼儀作法や書道、いろんなものを彼に教えました。この時、二人の実の母は既に亡くなっておりましたので、乙女姉さんが母の代わりをしていたわけでございましょう。この乙女姉さんの影響もあってか、どうも龍馬というのは、強い女性に惹かれる傾向があるようでございます。
寺田屋で龍馬の命を救った妻・お龍
蘭:さあ、時は慶応2年(1866)1月21日、薩長同盟締結。この仲介役として仲を取り持ちましたのが、坂本龍馬です。締結から2日後、龍馬は京都伏見の常宿、寺田屋に戻ります。寺田屋というのは薩摩藩も常宿にしていたところ、この護衛役の長州藩士・三吉慎蔵と酒を飲み始めました。
さて、この寺田屋の養女で、龍馬と恋仲だったのが、お龍という女性。実はこの頃もう龍馬と身内での祝言を済ませておりました。
その時、風呂に入っておりましたお龍は、何やら庭先で人の気配を感じました。そっと風呂の戸を開けてみると、武装した侍がぎょうさん身を隠しているではありませんか。お龍は咄嗟に風呂場を出て、裸のまま龍馬がおります二階の座敷へと駆け上がっていく。
「龍馬様! 早く! 逃げてください。外にたくさん敵がおります!」
「何っ!」


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