それはさておき、小さい頃の龍馬というのは、目から鼻に抜けるような利発な子では全くなく、どちらかというとどんくさい、しかも泣き虫、そんでもって寝小便もするという子どもでした。そんな龍馬を愛の鞭でもって鍛え上げたのが、龍馬の姉、乙女姉さん。
体重112キロの立派な体格の女性
この乙女、身の丈五尺八寸、目方も三十貫、今の体感でいうと、身長約174センチ、体重112キロという、なかなかの立派な体格の女性でございます。もう乙女姉さん、男勝りで負けず嫌い。薙刀をぶんぶん振りまわし、馬術に水練、弓矢に剣術と、さまざまな武芸に通じていました。その勇ましい姿は「坂本の仁王さま」といわれたとか。さらに武芸だけでなく、琴、三味線、舞踊に和歌もたしなんでおりまして、全てを身につけたスーパーウーマンだったんですね。
ですから龍馬が仲間にいじめられて泣きながら帰ってきますと、
「龍馬! 泣いてるんじゃありません。あなたは大きくなったら一家を守る主なのでございますよ。ほら、竹刀を持って、かかってきなさい!」
と叱ります。
「え、いやーー」
と龍馬が竹刀を振ると、
「えいやっ!」
と乙女が、龍馬の竹刀をパーンっと跳ねのける。
「なんですかその様は! もう一度いくわよ、いやーいやーいやー!」


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