今年5月、中国の動画サイトで1人の投稿者が「唐朝は存在しない」、「宋は800年続いた」と唱えた。史実に照らせば荒唐無稽な主張である。9月、中国共産党の機関誌『求是』が論説でこれを批判した。この経緯は、指導部が歴史の解釈権の掌握をいかに重視しているかを物語っている。
5月の投稿を最初に批判したのは南京市党委員会の機関紙『南京日報』だった。7月27日の評論はこうした「偽史論」の一掃を求め、唐代史跡の撤去を迫る電話を陝西省の文化観光当局が連日受けているとし、実害発生を伝えた。
ところが3日後、陝西省当局はそうした電話は受けていないと否定。評論の執筆者もネット上の書き込みを根拠にしたと非を認めた。批判の矛先は官製メディアに移り、上海市党委員会の機関紙『解放日報』は「先に矢を射てから的を描く」やり方だと評した。
偽史論は脅威と指導部は警戒
官製メディアの反応は一様ではなかった。四川日報系の『封面新聞』は「彼が唐朝は存在しないと言うなら、われわれも彼をいないものとして扱えばよい」と書き、こうした言説の過大視を戒めた。党がどこまで対応すべきか、という問いは官製メディアの内側から提起された。
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