手がかりとして、こうした話題に関することで私自身が以前から気になっている2つの点を挙げてみたい。
その一。しばらく前からウェブ上の記事や動画などで、外国人が日本ないし日本人のことを“ほめそやす”内容のものが大幅に増えている。「日本スゴイ系」のコンテンツなどとも呼ばれている。
その中身は日本の食文化であったり、日本人の“マナーの良さ”だったりと多岐にわたるが、とにかく日本ないし日本人の「良いところ」を絶賛する内容であることは確かである。
私はこうしたものを一概に否定するつもりはないし、“外国人の目を通して、気づいてなかった日本の良さを発見する”こと自体はむしろプラスの意味をもつと思っている(個人的にはテレビ東京系の「YOUは何しに日本へ?」などは好きでよく見ており、様々な「発見」も多い)。
「日本スゴイ」熱狂の裏にある減点社会の「ほめられ飢餓」
が、それでも「日本スゴイ系」の現状はいささか度を過ぎていると思う。にもかかわらず、これらがきわめて高い人気を誇っているのはなぜなのか。それは端的に言えば、今の日本では、自分のことを誰かに「ほめてもらいたい」人がきわめて多いから、という点に行き着くのではないか。
これはこの後で展開する内容とつながってくるが、日本の現状では、日本人同士の間で他者のことを(少なくとも明示的に)ほめることが概して少なく、また、企業社会を含めて、日本ではいわゆる“減点法”的な評価が今なお前面に出がちであると思う。
プラス面を評価することよりマイナス面や「問題点」を指摘するほうが“得意”な人が今なお多いのだ。その結果、やや単純化して言えば、日本人は「ほめられること」に飢えている(あるいはそれを渇望している)。
一方、限られた範囲ながら一定の海外経験を私は持ってきたが(アメリカに3年暮らし、その後はヨーロッパが中心だが中国や他のアジア等にもそれなりの頻度で訪れてきた)、それら海外の人々は概して「まず相手のことをほめる」「相手の良い面を指摘する」ということが、(少なくとも日本人より)ある種の習慣ないし“マナー”として根づいていると感じてきた。


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