「倫理観の欠如であり、誠に遺憾である」「コンプライアンス教育を再徹底する」ーー。生命保険会社の営業職員による金銭詐取事件や、損害保険会社が保険金の不正請求を看過した問題などに際し、保険経営者はこのような謝罪コメントを発することがある。上記の謝罪は、不祥事が偶発的に生じた逸脱行為であるとの認識を示している。
しかし、問題事案の件数の多さと、他の類似の事例―たとえば2019年に表面化したかんぽ生命による不適切販売等―は、これらが単発的な逸脱行為ではないことを示唆する。何らかの構造的な要因を背景に引き起こされた、よりシステマティックな問題の露呈である可能性がある。そもそも保険事業における不祥事は、特定の企業風土や現代の日本に固有の現象なのであろうか。連載「保険不祥事の深層」の第1回は、たまたま起きているだけなのか、あるいは業界特有の構造問題があるのか、について考えていく。
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