お茶会に参加する人たちの言葉で共通していたのは「安心感」だ。
「最近高熱を出したけど、なにかあったら駆けつけるよ、と言ってもらえてすごくありがたかった。ひとりじゃないって思えました」
「投資信託どうするとか、家をどうやって売るとか、昔からの友達にはお金の話はしにくい。でも、老後の資金って絶対必要じゃないですか。ここはそういう話をしていい場なんです」
「親の介護で後始末みたいなことばっかり考えていたけど、ここに来て自分の残りの時間をどういうふうに生きようかと、気持ちが変わって楽になった」
お茶会の最中、槙本さんは参加者にこう語りかけた。
「住まいよりお金より、つくっておくと一番いいのは友だちやと思ったんですよね。家もお金もあっても、友だちいなくてポツンってなってると認知症になるかもしれないし。老後資金を殖やしなさい言うてるけど、そこを心配するより知り合いを増やしとくほうがいいかもね」
「令和の長屋暮らし」
大人の女子寮は建物という単なる「箱」ではなく、どうやって人生の最期まで安心して暮らせるかを追求する空間だ。心地よいコミュニティが形成されているのは、ビジネスではなく、槙本さん自身が「自分が気持ちよく住める環境」を求めてきたからだろう。他県から勉強のためにやってくる人には「それぞれが自分たちでつくったらいいんですよ」と背中を押す。
槙本さんはお近くさまを含めた大人の女子寮を「令和の長屋暮らし」と呼んだ。家族がいなくても、おひとりさまでも、近隣住民同士で助け合う古くて新しい仕組みなのかもしれない。


※ログイン後、コメント入力が可能です。