◎福島県教委資料に見る、保護者等の要求の3分類
とはいえ、内容にもっともなところがあるとしても、もう1つの視点、言動や訴えの手段・方法が妥当かどうかも勘案する必要がある。例えば、「子どもがいじめにあっているので調査してほしい」という保護者からの申し出は、内容としては合理性があるし、学校は真摯に向き合う必要があるが、長時間にわたって教職員を拘束するとか、明確な回答があるまでは帰らない(居座る)といった言動を伴う場合は、手段・方法の妥当性が低いものと考えられる。
なお、厚労省の指針では、さまざまな要素が関係するものの「言動の内容が社会通念上許容される範囲を超えるもの」と「手段や態様が社会通念上許容される範囲を超えるもの」の2つの視点を例示したうえで、いずれか一方のみでもハラスメントに該当しうるとしている。
② 学校が突き放してもほかに対応するところがあるかどうか
社会通念上の許容範囲を超え、かつ教職員の就業環境が害されるハラスメントだから、「学校はこれ以上対応できません」と申し出たとしても、それで、保護者等の訴えや怒りは収まるだろうか。
この点は、通常の店舗などと違って、学校をはじめとして公務員の仕事の難しいところだ。もう来なくいいと、締め出すわけにもいかないし、保護者をむげに扱っては子どもへ悪影響が及びかねない。
たとえ理不尽な訴えや苦情に見えるケースであっても、その保護者は困難に直面しているのであって、場合によっては医療・福祉的なケアを要するときもあれば、子どもの保護を優先するべきとき(虐待など)もあろう。
だが、同時に考えないといけないのは、学校の主たる役割は子どもの健全育成であって、保護者のケアをする機関ではない、ということだ。私がたまに自治体の総合教育会議(首長と教育長、教育委員らによる会議)に呼ばれるとき、「保護者支援は、首長部局の福祉の仕事ではないですか?」という話をしている。


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