つまり、学校が対応困難なケース、あるいは学校の管理外、専門外のケースでは、適切な支援機関や窓口を紹介する、つながる仕組みが必要だ。
今回のカスハラ対策では、労働者(学校の場合は教職員)向けの相談窓口等の体制整備が義務化されているわけだが、保護者の相談・ケアや子どもの権利保護に向けた体制も必要だ。小さな市町村ごとにある必要は必ずしもないので、基礎自治体共同または都道府県と共同で専門家(カウンセラー、ソーシャルワーカー、弁護士、元教員等)を配置した相談・支援機関があるとよいと思う。
③保護者等との日常的な関係づくり
次に考えたいのは、保護者等の怒りがいきなり噴火するケースは少ないということだ。文科省の今回のガイドラインでも、冒頭で次のように述べている。
また、学校設置者、学校管理職を含む教職員は、日頃から保護者や地域住民等と対話を重ね、協働による「共につくる」学校運営を実施していくことが非常に大切です。
日常的に信頼関係ができていれば、多少もめることはあっても、いきなり社会通念を超えるような言動には発展しないことが多い。だが、このごろは、働き方改革の流れの中で家庭訪問をやめているところは多いし、保護者側の負担もあってPTA活動も低迷、保護者が学校に行く機会は入学式、卒業式を除けば、運動会などくらいというところもある。
私は、4〜5月のうちに、面談はしたほうがよいと思う。保護者も共働きが多くなっているので、対面が難しければオンライン会議でもよいだろう。顔つなぎをして、何か不安や疑問があれば、これからも聞いてほしい、と担任の先生等から言ってもえたら、保護者も安心できる。
学校によっては校長が主宰する茶話会のようなもの、気楽にふらっと来て、校長と話をしようという会を設けているところもある。こうしたちょっとしたことも、保護者等との関係づくりでは大切だと思う。
やっとのことだが、今回の動きで、理不尽な要求やハラスメントから教職員を守っていける体制整備が進むとよいと思う。と同時に、困っている保護者等を放置しては子どもの権利保護上も問題だ。保護者と子どもを守る仕組みを同時につくっていくことも、国・自治体の仕事だと思う。


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