文科省の今回のガイドラインでは、具体的な目安の時間や回数までは示していないが、例えば、東京都教育委員会がつくったガイドラインでは「原則として、平日の放課後、30分までを目安(状況に応じ60分程度まで)に対応しましょう」としている。私は60分でも長いと思うが。
いずれにせよ、これは行き過ぎた言動である可能性が高いので、対応しなくてもいい可能性が高いですよ、と文科省が示した意義は大きいと思う。これまでの学校と教育行政は、教職員を守る仕組みと取り組みが弱すぎた。
とはいえ、おそらく学校の先生たちから見れば、本当にハラスメントと言い切れるのか、判断が難しいという感触を持たれる方も多いだろう。保護者目線からすれば、安易にカスハラやモンスターペアレント扱いされるのではないか不安、といった声も出てくると思う。今回の文科省のガイドラインでは課題や懸念点もある。ここでは3点に絞って検討しよう。
① ハラスメントかどうかの判断基準が曖昧
1つ目の課題は、どこからどこまでがハラスメントか、という点だ。これが拡大解釈されて、まっとうで正当な申し出や意見まで学校は受け付けない、となってはいけない。文科省のガイドラインでの例示は参考になるとは思うが、もう少し検討できないだろうか。
厚労省の指針を参考に考えると、次の図のように2つの視点に分けて考えるとよいだろう。1つは言動や訴えの内容に合理性があるかどうか。例えば、前述のとおり、学校の責任外のことまで要求する、担任の退職を求めるなど実施が困難あるいは妥当性が低い要求をするのは、内容の合理性が低い、と言えそうだ。
なお、保護者等が100%理不尽ということはごく稀で、なんらか学校側にも落ち度がある場合も少なくないだろう。ゼロか100かではないことも多いのは、注意しておきたい。
関連して、福島県教育委員会が作成した「保護者や地域からの学校への要望等対応ハンドブック」では、保護者等からの要求を3つに分類している。これも内容の合理性を検討する際の目安になりそうだ。


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