
文科省の例で注目したいこと
特に注目したいことは2つ。1つは、「b.学校の教育活動および学校運営の範囲を著しく超える対応を求めるもの」の例として、児童生徒の学校外での行動や公園での遊び方等に関する要求が挙がっていることだ。
修学旅行や校外学習などは別だが、校外は学校の管理外なのだから、基本的には学校の責任外である。当たり前の話なのだが、「コンビニで中高生がたむろしていて怖いからなんとかしてほしい」、「公園で子どもたちがうるさい」などの苦情が学校に来ることは珍しくない。
生徒指導の先生や教頭先生が飛んでいくこともあるが、本来は学校の業務外、責任外で、学校に申し立てるのではなく、悪質な場合は警察や公園管理者等に相談する話だ。
もう1つは、「h.継続的、執拗な言動」「i.拘束的な言動」として、何度も電話してきて要求を繰り返すことや、長時間の居座りや電話で教職員を拘束することが例示されていることだ。これも、これまでの学校では少なくなかった。しかも、こう言ってはなんだが、文科省や教育委員会が助長してきた側面もあったと、私は見ている。
「保護者には傾聴が大事だ」、「ともかく相手の話を聴こう」と教育委員会等はこれまで何度も教職員に伝えてきた。それで、1時間も2時間も保護者等の話を聴くというケースが少なからず見られた。もちろん、保護者等の気持ちになるべく寄り添おうとすること、まずは耳を傾けること、それから学校の都合や教職員側の主観で安易にジャッジしないことなどは大事なスキルだろう。
だが、だからといって、教職員の精神を病ませるほど話を聴かせ続けるのが「傾聴」なのだろうか? 「耳鳴りがします」という教員の訴えを私も聞いたことがある。心理カウンセラーや精神科医だって、1時間も2時間も一人の話をふつう聴かない。


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