法改正を受けた厚生労働省のカスタマーハラスメント防止指針によると、「事業主の方針等の明確化及びその周知・啓発」、「相談体制の整備」、「事後の迅速かつ適切な対応」、「対応の実効性を確保するために必要なカスタマーハラスメントの抑止のための措置」(特に悪質と考えられるカスハラへの対処方針をあらかじめ定め、労働者に周知し、当該対処を行うことができる体制を整備すること)などが事業主に義務付けられた。
こうした対策を十分に講じられている教育委員会(公立学校)や学校法人(私立学校)はどれくらいあるだろうか? まだ指針の策定すらできていないところもある。
◎文科省が作成した保護者・地域住民への啓発資料
学校で防止する「ハラスメント」とは?
そもそも学校現場と教育行政では、「保護者はカスタマー(顧客)なのか?」というところから、ひっかかる人も少なくないのではないだろうか。保護者の側も、学校の先生から「お客様」などと呼ばれては違和感のある人も多いだろう。
とはいえ、厚労省の指針によると、カスハラの「顧客等」とは施設の利用者や事業に関係を有する者を含むと広く捉えられるので、学校でいうと、保護者もカスハラ対策の範囲に含まれる。そのうえで、文科省のガイドラインを読むと、まず、今回防止措置の対象となるハラスメントの定義としては、以下の3つが当てはまるものを指す。
i.保護者や地域住民等の言動であって、
ii.教職員が従事する業務の性質その他の事情に照らして社会通念上許容される範囲を超えたものにより、
iii.教職員の就業環境が害されるもの
「社会通念上許容される範囲を超えたもの」と言われても、どういうことが該当するのだろうか。今回の文科省のガイドラインが有用なのは、具体例を示しているところだ。もちろん、現実には、学校では線引きが難しいときも多いだろうが、目安にはなる。


※ログイン後、コメント入力が可能です。