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職場では感謝されず、子どもは親離れ…「誰かの役に立っている感覚」が枯れ果てた40~50代を救う、会社の外の小さな習慣

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自己有用感
40代・50代というのは、自己有用感の供給源が同時に3つ枯れる時期です(写真:Graphs/PIXTA)
  • 中島 輝 心理カウンセラー
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人は、自分のためだけでは、がんばれない生き物です。

私たちの祖先は、狩猟でも農耕でも、集団で生きてきました。集団の中で役に立つ喜びは、本能の深いところに刻まれています。だから、誰にも期待されていない状態では力が出ず、逆に「誰かの役に立っている」と実感できる環境では、多少の負荷がかかっても踏ん張れてしまう。

原田さんは、その「誰かの役に立っている」という燃料が、休日にはゼロだったのです。

自己有用感は、若いころは意識しなくても満たされやすいものです。

仕事では「ありがとう」と言われる場面が多く、家庭では子どもが親を必要としている。地域でも、若手として頼まれ役が回ってくる。

ところが40代後半から、この構造が静かに崩れます。

職場では、感謝される側から「して当然」の側に移ります。部長が成果を出すのは当たり前で、誰も改めて礼を言いません。

家庭では、子どもが親を必要としなくなります。「空の巣(からのす)症候群」と呼ばれる状態です。

友人関係は、年齢とともに細っていきます。結婚、転勤、介護、健康問題。誘い合う相手が減っていく。

つまり、40代・50代というのは、自己有用感の供給源が同時に3つ枯れる時期なのです。

「ミッドライフクライシス」と呼ばれる中年期の心理的な揺らぎには、この構造的な事情が深く関わっています。野村総合研究所が2025年に行った調査では、40代の52.1%、50代の53.9%がその自覚を持っていました。半数以上です。

「予定の中身」を1行だけ変える

原田さんに私が提案したのは、予定を減らすことでも、増やすことでもありませんでした。

「予定のうち、ひとつだけ、“誰かのためになるもの”に置き換えてみませんか」

原田さんは、学生時代にラグビーをやっていました。そこで、近所の少年ラグビークラブのお手伝いに、月1回だけ顔を出すことにしたのです。

最初の数カ月は「正直、面倒だった」と言っていました。日曜の朝は眠いし、子どもは言うことを聞かない。

ところが半年後、原田さんの言葉が変わりました。

「この前、休んだんですよ。そしたら次に行ったとき、子どもに『なんで来なかったの』って言われて」

そのひと言で、原田さんの虚しさは目に見えて薄くなりました。

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