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動物園で相次いだリスザル・ミーアキャットの突然死…「10月なのに熱中症」「7月なのに熱中症じゃない」に潜む"季節の罠"

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ミーアキャット
動物園で相次いだミーアキャットの死。その理由とは…(写真:のん助/PIXTA)
  • 中村 進一 獣医師、獣医病理学専門家
  • 大谷 智通 サイエンスライター、書籍編集者
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病理解剖を行うと、2頭とも全身の静脈が拡張し、肝臓や脾臓には強いうっ血が見られました。ここまでは、熱中症でも見られる所見です。

しかし、臓器から組織標本を作って顕微鏡で観察すると、肝臓や脾臓など全身のさまざまな臓器で、丸い細菌が塊をつくって増殖している様子が確認されました。2頭とも、細菌感染が全身に広がって臓器障害を引き起こす「敗血症」を起こしていたのです。

そこで、解剖時に採取した肝臓の一部を専門の検査機関に送り、培養検査をしてもらったところ、そこからストレプトコッカス・エクイ・ズーエピデミクス(学名:Streptococcus equi subsp. zooepidemicus)という連鎖球菌の一種が分離されました。学名に入っている「equi」というラテン語は「馬の」という意味で、その名のとおり、この細菌はウマの上部気道などからよく見つかります。

死因は「馬の肉」にいた菌

動物園に飼育状況を改めてヒアリングすると、ミーアキャットには餌として馬肉が与えられていたことが判明しました。その馬肉を検査にかけると同種の連鎖球菌が分離されたことから、ミーアキャットは餌の馬肉を介して連鎖球菌に感染し、敗血症を起こして死亡したと考えられました。

おそらく、餌用の馬肉の管理に問題があったのでしょう。もともと馬肉に付着していた連鎖球菌が増殖し、それをミーアキャットたちが口にして大量に取り込んだことで感染が成立。最終的に敗血症に至ったのだと思われます。

動物園で、肉食動物に馬肉を与えることは珍しくありません。馬肉はほかの食肉に比べて脂肪が少なく、肥満になりやすい飼育動物の餌として重宝されています。餌用の馬肉も広く流通しています。

問題があったのは馬肉ではなく、その管理状況です。

この診断結果を動物園に伝えたところ、生きている2頭のミーアキャットには抗菌薬が予防的に投与され、餌の馬肉の管理方法も見直されました。

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