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動物園で相次いだリスザル・ミーアキャットの突然死…「10月なのに熱中症」「7月なのに熱中症じゃない」に潜む"季節の罠"

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ミーアキャット
動物園で相次いだミーアキャットの死。その理由とは…(写真:のん助/PIXTA)
  • 中村 進一 獣医師、獣医病理学専門家
  • 大谷 智通 サイエンスライター、書籍編集者
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熱中症になると、体は熱を外へ逃がすために体表近くの血管を拡張します。また、熱中症で急死した場合、血液循環が急激に途絶えることで血管や臓器に血液がたまって、うっ血が見られることがあります。

今回、遺体で観察された所見は、熱中症で死亡した動物に見られるものと矛盾しません。ただし、これらは熱中症だけに特有の所見ではなく、感染症や中毒などによる突然死でも見られることがあります。

このリスザルのケースでは、感染症などを示す明確な病変が見つからなかったこと加え、死亡時に飼育ケージに熱がこもっていたこと、遺体が温かかったことなどをあわせて検討し、死因は熱中症だと判断しました。

熱中症と聞くと、「7月や8月の真夏に起こるもの」というイメージがあるかもしれません。しかし僕の経験上、熱中症による動物の死亡事故は、そこから少し外れた6月、あるいは9月、10月に多く発生します。

近年、全国の動物園は強い危機感を持って熱中症対策に取り組んでいます。とくに真夏は、冷房や送風を欠かさず、動物に積極的に水分をとらせるなどの対策がとられます。

しかし、初夏や秋口は、暑い日もあれば涼しい日もあるため、暑さへの警戒が緩むことがあります。そんなときに予想以上に飼育環境の温度が高くなると、対応が遅れ、熱中症につながってしまうのです。

今回、リスザルの死亡事故が発生したのは10月中旬です。暦の上ではすでに秋でした。それでも、「秋になったから、もう熱中症の心配はない」と考えるのは危険なのです。

7月だから熱中症…でもない

少し時間をさかのぼって、同じ年の7月中旬。関西にある動物園から、ミーアキャットの病理解剖を依頼されました。

ミーアキャットは、アフリカ南部の乾燥地帯に生息するマングースの仲間です。群れで生活する社会性の高い動物で、動物園でもたいてい複数の個体が一緒に飼育されています。

この動物園では4頭のミーアキャットを飼育していましたが、1頭が前触れなく死亡し、その2日後にもう1頭が亡くなりました。7月中旬の暑さが厳しくなりつつあった時期で、2頭が亡くなる直前まで目立った症状が見られなかったことから、動物園は熱中症を疑っていました。

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