何より、AIの学習データが不透明な点が問題なのだ。生成AIを巡っては、学習データにどのような著作物が含まれているのか外部から把握しにくいケースがあり、クリエイター側から透明性を求める声も根強い。日本ではAI学習への著作物利用について一定の場合に著作権法上の権利制限が認められる一方、生成物が既存著作物と類似した場合など、利用段階では別途著作権侵害が問題になる可能性もある。
「〇〇みたいなキャラクターを作って」と指示すれば、入力したキャラクターそっくりの画像が生成できてしまうことから分かる通り、すでに様々なコンテンツが学習に使用されている。今後、著作権や肖像権での問題が発生してくる可能性は否定できないだろう。
生成AIサービスによっては、投じたデータを学習に利用させない設定を選ぶことができる。レベルファイブもそうした可能性はもちろんあるが、受け手がみな理解しているとは限らない。これら様々な要素が絡み合って、生成AIの広告利用は燃えやすい状況になっているのだ。
一方で、AIで出力した画像を使用してもあまり影響がない分野もある。
スーパーのポップは、AIで出力しても炎上しない?
スーパーに足を運ぶと、以前は手書きやパワーポイントで作られていたであろうポップの多くが、AIの出力物に変わっている……そんな経験のある人は、今や少なくないだろう。実際、東京・埼玉・千葉に85店舗を展開する食品スーパーマーケット「コモディイイダ」では、店内の販促ポップをAIで生成しているという。ポップ制作を効率化し、その分商品価格の安さに反映する方が顧客ファーストになるからだと言うのだ。
上述してきたバースデイやレベルファイブのAI利用が嫌なら、バースデイで服を買わない・レベルファイブのゲームを買わないと不買で意思表示できるだろう。しかし、コモディイイダのように生活に必須のスーパーに対しても、こうした意思を貫くのは非常に困難だ。あまりにも生活に密接な場所でAI生成の画像を使われると、多少のモヤモヤを抱えていても、物価高の昨今、受け入れざるを得ない人が大半なのだろう。
今回のバースデイ、レベルファイブの炎上は、あくまでもSNS上での出来事だ。商品を買わない、サービスを利用しない人の目にも届いた結果、批判の声が寄せられることとなった。例えばバースデイの広告が、店舗でのみ使用されていれば、果たしてこんな炎上になったのか。忙しい子育て世代が、広告に違和感を覚えたのか。AI活用が進むなかで、「使い分け」が重要になってくると感じられた騒動であった。


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