このように、頑丈な骨格と衝撃吸収構造を採用するため、最近の車両は全体的に前面の窓寸法が小さくなり、人間の顔に例えると「頬」にあたる部分の出っ張りが大きくなった印象を受ける。厳しい安全基準がデザインの自由度を狭めているのは否めない。
少し悪口になってしまうが、お世辞にもスマートとは言いがたい不格好な車両が増えたように思える。基準を満たしつつどこまでスマートなデザインを保てるかは、各社デザイナーの腕の見せどころであろう。
デザイナーの腕の見せどころ?
ただ、厳しい安全基準の中でも、スイスのシュタドラーや日立などはスマートにまとめている印象だ。室内スペースを十分に確保したうえで、耐衝撃性が高く衝撃吸収装置を内蔵する前頭部を備え、しかもホームに収まる長さに設計しなければならないのだから、デザイナーはさぞや苦労していることだろう。
昨今の自動車も似たような傾向で、衝突安全性や歩行者保護のため、全体的に車体が大きく厚ぼったくなるなど、デザインの自由度は狭まりつつある。とはいえ、人命を最優先にするためには、多少デザイン面を犠牲にするのは仕方のないことかもしれない。

