有料会員登録 東洋経済オンラインとは
ライフ #不安な時代、不機嫌な人々

「遺伝的要因のおそろしさを感じる」と投稿⋯東大教授が皇族女性を揶揄?猛烈批判も「謝罪なし」「曲解と反論」する異様さ

7分で読める
東大赤門
皇族女性に言及した東大教授の投稿が炎上…どこに問題があったのか(写真:テラ/PIXTA)
2/4 PAGES
3/4 PAGES

通常、「後付けの理屈」は支離滅裂になりやすく、他者からの指摘によって崩壊しやすい傾向がある。だが、アカデミシャンのように高度な言語能力や学術的知識を持つ「乗り手」は、「精緻な反論」を展開しつつ、「他者の曲解」に帰責することが容易にでき得る。

外部からどれほど正当な批判が寄せられても、持ち前の知性を総動員して、「批判者は自分の高度な文脈を理解できていない(教養や読解力の不足)」といった「メタ言説」を瞬時に構築し、自らの非を認めない完璧な防衛壁を張り巡らせるのだ。

これは、「教える者と教えられる者」という非対称性と、自分の判断に誤りはないとする「無謬主義」のコンボである。まさに「乗り手」が全力で「象」のぞんざいな振る舞いを庇い立てする無意識の防衛本能が作動した結果に映ってしまう。

ハイトの理論は、どれほどの肩書や知識を持っていようと、自分の「象使い」が「象の弁護士」として暴走していないかを絶えず疑う謙虚さを失ったとき、知性は他者への差別や憎悪を正当化する強力な武器へと豹変しかねないことに警鐘を鳴らしている。

この「知性の罠」の根本には、ハイトが述べているように、「人々は道徳的な物語を共有する政治的なチームに自分を結びつけ、ひとたびある特定の物語を受け入れると、それ以外の道徳世界には盲目になってしまう」メカニズムがあるからだ(同上)。

「長文の解説」が完全に正しいと仮定した場合

では、逆に「長文の解説」が完全に正しいと仮定しよう。一見、それは当人に対する批判をすべて払拭してくれそうに思えるが、この場合、「遺伝的要因のおそろしさ」を含む表現をあえて選んだことになる。そうすると、内輪受けとエコーチェンバー現象による「感覚の麻痺」が起こっていたと推測される。

内輪受けは、特定のグループのメンバーだけにしか伝わらない共通の価値観とノリで盛り上がることであり、エコーチェンバー現象とは、自分と似た意見や思想を持つ人ばかりとつながり、心地よい情報だけが飛び交う結果、自分の考えが社会の正解であると思い込む現象を指す。

現代のSNSでは、この2つが組み合わさることで「排他的なコミュニティ」が強化されやすくなっている。異論を絶対に許さない過激な空間へと変質するだけでなく、対立する政治勢力などに侮蔑的なレッテルを貼ることが称賛される空気をも醸成される。

4/4 PAGES

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

ライフ

人気記事 HOT

※過去1ヶ月以内に配信した記事の閲覧数