異常は見当たらないのに不調という事実
本稿を通じてぜひ知っていただきたいのが、「機能性障害」という病気の捉え方です。
この概念を理解するだけで、「長年の不調の謎が解けた」とおっしゃる患者さんを、私はこれまで数多く見てきました。
私たちが「病気」と聞いて真っ先に思い浮かべるのは、おそらく「体のどこかが壊れている状態」ではないでしょうか。
胃に穴が開く胃潰瘍、肺に炎症が起きる肺炎、あるいはがんであれば腫瘍という「形」の異常が検査ではっきりと確認できます。
このように、臓器や組織の「形」に目に見える異常がある病気を、「器質性障害」と呼びます。
器質性障害は、車で言えば、ボディがへこんでいる、タイヤがパンクしている、ガラスが割れているなどのような状態です。
見れば、どこが壊れているかがわかります。
これに対して「機能性障害」は、胃カメラで見ても胃はきれいで、血液検査をしても異常値は出ない。レントゲンやCTを撮っても異常は見当たらない。
それなのに、胃の調子が悪かったり、体がだるかったり、痛みが続いたりする。


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